人工芝業者の施工とDIYで大きな差がでるのが、整地や除草シートの施行。いくら庭仕事が得意でも、一般人が手を出すにはハードルが高い作業と言えます。
特に難しいのが整地。平行をとる作業一つとっても経験やノウハウが必要ですし、しっかりやるならプレートといった建設現場で使う機械も必要になってきます。
地面に土に凹凸があると除草シートに隙間が生まれ、そこから雑草が生えてきてします。 雑草が生えない庭にしたいなら、やはりプロの人工芝業者に依頼すべきです。そこで今回は「10年雑草が生えない庭」を掲げている芝人(しばんちゅ)の施工現場を取材し、その仕事ぶりに迫りました。
一般人が作業する場合、庭の状態にもよりますが、この雑草を抜く作業だけでも半日~丸1日かかるケースもあります。今回取材したお庭にも根の深い植物が多くありましたが、パワーショベルで根こそぎ除去!作業としては1時間もかからない程度で終わり、さっそくプロの仕事を目の当たりにしました。
植物を植えるエリア(花壇)の前に、仕切りの石を置き、人工芝を敷くエリアとの見切りをつけます。
仕切りの石の下にコブシ1つ程度の溝を作り、モルタルを流し込む。モルタルとは、セメントと砂を練ったもので、石・タイルなどの接着用としてはもちろん、壁に塗ることもあります。
さらに石の高さがズレないように調整。職人さんは最初にメジャーを使っていましたが、あとは目分量で調整しているようでした。
砕石(さいせき)とは、天然の岩石をクラッシャー等で砕いた資材。使用したのは40mm程度の砕石で、これを全体に敷き詰めることで高さを出し、仕切りの石や他の地面と揃えます。
砕石を満遍なく敷き詰めたら、プレートという機械(転圧機)を使って上から締め固めます。これがないと砕石を平らにすることはできません。
山砂はサラサラとした砂で、栄養素が少なく、雑草が生えにくい性質を持っています。吸水性が高いため、人工芝の下地としてよく利用されています。これを砕石の上に撒いて、表面にクッション性を与えます。
山砂を撒いた後はスコップやトンボでならし、プレートで再び平らにします。最後にその上からさらに山砂を撒いて、調整します。
使用するのは、芝人(しばんちゅ)のオリジナルの除草シート。透光性の低い素材(光を通さない)なうえに強度も高く、シートが溶けにくいという特徴を持っています。人工芝の下なら、目安として10年は耐用年数として持つそうです。
この除草シートを山砂の上に敷きます。隣り合うシートを5センチ程度ずつ被せることで、より隙間のない仕上がりになるそうです。
敷くのは、芝人の人気商品「Sターフ30mm」。FIFA(サッカーの国際連盟)認定工場で生産した人工芝で、天然芝のような鮮やかな見た目と柔らかい手触りが魅力です。これを除草シートのうえに、隙間が出ないように被せていきます。
人工芝の位置が決まったら、ビスを打ち込んで人工芝を固定します。ビスが地面にしっかりと食い込まないとズレてしまうため、トンカチなどを使って打ち込むようにしましょう。
取材前は正直「DIYでも人工芝、敷けるでしょ」と思っていましたが、今回の取材を通して、「これはプロじゃないと無理だな…」と思い直しました。
特に驚かされたのが整地。プレートという機械はもちろん、モルタルや山砂といった素材も業者でないと手に入りにくい代物ですし、地面との平行をとる作業ひとつとっても職人さんの感覚や経験がモノをいう仕事だと感じました。
費用や時間をかければDIYで作業することも不可能ではありませんが、実際の手間やコストを考えれば施工業者に依頼するのが得策と言えるでしょう。
今回取材に協力してくれた芝人(しばんちゅ)の情報は公式ホームページから確認できます。興味がある方はぜひ近くの加盟店に問合せてみてください。