複数の業者から人工芝の見積書が届いたものの、項目の立て方が会社ごとに違う。どこを比べればよいのか分からない、という場面は少なくありません。
総額だけを並べても、同じ工事を比べているとはかぎりません。ここでは、見積書のどの行を見て、どのように相見積もりを取り直すのかを整理します。
同じ「20㎡」の工事でも、見積書に含まれる作業は会社ごとに異なります。既存の天然芝や土の撤去が入っているか、残土や廃材の処分費が計上されているか、防草シートが標準仕様かオプションか。この3点だけでも中身は変わります。
そのため、総額が安いほうが得とは言い切れません。他社が含めている作業が、別途扱いになっているだけの場合もあります。まず確かめたいのは、同じものを比べられているかどうかです。工事そのものの費用感は、業者に依頼した場合の費用のめやすで扱っています。
内訳を見るときは、次の6つの行に数量と仕様が入っているかを確かめます。
この6行がそろえば、会社が違っても横に並べて比べられます。下地の材料や厚みの読み方は、人工芝の下地づくりでくわしく扱っています。
「防草シート一式」のような書き方そのものが問題なのではありません。実務では広く使われている表記です。
ただし数量と仕様が読み取れないと、施主側に2つの不都合が出ます。他社の見積書と比較できないこと。そして追加の請求が出たとき、その金額が妥当かを判断する手がかりがないことです。
建設業法第20条第1項では、材料費や労務費などの内訳を記載した見積書を作成するよう建設業者に求めています。同条第4項により、注文者から請求があったときは、契約が成立するまでに交付が必要です。内訳を尋ねるのは、遠慮のいることではありません。
依頼は、次のような短い文面で足ります。
「他社と同じ条件で比べたいと考えております。撤去・処分、下地、防草シート、人工芝本体それぞれの数量と単位、使用製品の品番が分かる内訳をいただけますでしょうか」
各社に伝える条件がそろっていなければ、内訳を取り寄せても比較になりません。次の5点は、同じ言葉で全社に伝えます。
他社の見積書や金額を見せるかどうかは、判断が分かれます。見せれば条件がそろいやすく、抜けている項目を指摘してもらえることもあります。一方で、金額を合わせる方向の調整が入り、仕様の違いが見えにくくなることもあります。見積書の有効期限もあわせて確認しておきましょう。
内訳をそろえたうえで最も安いのであれば、選ぶ理由になります。総額だけで選ぶと、含まれていなかった作業が後から追加費用になることがあります。
2〜3社で内訳を比べられれば、判断の材料はそろうことが多いようです。社数を増やすより、同じ条件で依頼することを優先してください。
現地を見ない見積もりは、水はけや高低差が反映されていない概算です。契約前に現地確認を依頼してください。
見積書の内訳は、そのまま契約書の「工事内容」として引き継がれます。見積で「一式」のままにすると、契約書も同じく曖昧になります。契約書のどこを見るかは、契約書と保証書の読み方で解説しています。
見積書は、金額より先に内訳を見る書類です。数量と品番を確かめ、読み取れなければ内訳を依頼してください。
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